整体施術の考え
当院は心体治癒療法を行っています。平成16年には心体治癒療法師会を発足いたしました。
人は誰もが生まれた時からある「力」を備えています。この「力」には色々な種類があります。その力は自分で日常、意識していないし、意識しても100%出てくるものではありません。火事にあった老婆が仏壇を抱きかかえて裏山まで登ったというお話があります。俗に言う火事場の馬鹿力です。この
火事場の馬鹿力も、人間に備わったある「力」の瞬発力的パワー系の種類だと思います。その他にナチュラル系の「力」というのもあります。例えば体の不調に対して治療家が手当てを施すと、時が経つにつれ機能が良くなる「回復力」や、心の病いに対して専門家がカウンセリングなどをした後で自然に湧き出てくる「気力」などもその一つです。
このナチュラル系の「力」は人に備わっている、心と体を「守る」ための「自然治癒力」だと思います。この自然治癒力とは心体機能回復力とも私達は言ってます。ある男の子が紙ひこうきを作りましたが、うまく飛んでくれません。その男の子はお父さんに言いました。「お父さん、ちゃんと飛ぶようになおしてよっ!」。お父さんは「ちょこっと羽根をいじっては飛ばせてみる」を何度か試み、ついに男の子が喜ぶ位に紙ひこうきを飛ばすことができました。男の子は、「やったー!お父さんがなおしてくれたーっ!」て大喜びです。お父さは言いました。「お前が作った紙ひこうきにちょっと手直ししただけだよ。」そうです、お父さんは治したのではなく調和を取ったのです。何のヘンテツもない親子の出来事ですが、私達にも当てはまることがあります。私達、心体治癒療法師も「治す」なんておこがましい事は考えていません。人間の体は複雑な機能でできていて簡単に「治す」なんてできないと思っています。癌などの疾患がある方が病院で患部摘出手術を受けて命を取り留めたとしても「完治した」のではなく高度な医療技術によって延命のために「最善の修繕」を受けたのです。「完治」というのは患部を摘出せずに「元の状態に戻す」ということです。それはできないことではないでしょうか。お医者さんも、歯医者さんも、私達のような手技療法家も行っていることは、悪くなる前の良い状態に最も近づけるよう機能の回復を目指して最善を尽くしているだけだと思っています。先ほどのお父さんは紙ひこうきの重さと羽根の大きさのバランスを考えて大気と調和させて飛ばしたのです。お父さんが作り上げたバランスは完璧ではないかも知れませんが、男の子が喜べるくらいに飛ばせたのです。これは、紙ひこうきの本来持っている「飛ぶ機能」を生かして大気という自然とうまく「調和」させたのです。人の体も同じです。今起きている症状をうまくコントロールし「調和」をはかることが大切だと思います。
私達、心体治癒療法師のすべきことは、症状の根本原因を究明し、心と体の機能回復を目指し、人に備わっているすばらしい力である「治癒力」を促し、心と体が自然や社会とうまく「調和」でき、大切な命の今のこの一瞬を、今日一日を、痛みやストレスが少なく、快適に過ごしていただけるように努めることであると考えています。